橋梁設計にすける「気づき」と「考える」

摘要

遊びに夢中な子供を見ると，退屈しのぎにスーパーボー ルを投げて遊んだ幼い頃を思い出す.スーパーボールを 指に挟んで回転させ，数回弾ませてキャッチしようとしたが，少し傾いた床を跳ねるポールの動きは複雑でー向に成功しない.いつの間にか退屈を忘れ，ボールを追うのに夢 中になっていた.ボールは，床に当たり落ちる方向や床の 角度あるいは速度や回転数に応じて正転逆転を繰り返し跳 ね返った.不規則な動きに法則があるのかを考え，それを 楽しんでいたのだと思う.誰もが抱く夢中になつた経験は， 「考える」ことを楽しんだからであり，それは大人になつ ても同じである.少し違うとすれば，スーパーボールの跳 ね返りと同じような現象はないか，卓球のボールやバレー ボールも同じような動きをするのか，その現象を利用した ものはないか違う動きをするものはないだろうか，と歳 を重ねた分だけ深く 「考える」ようになることであろう.