長部高架橋

摘要

長部高架橋は，三陸沿岸道路改築事業の一環として，岩手県陸前高田市気仙町内に架設されるPC6径間連続ラーメン箱桁橋である．本橋の架設方法は移動作業車(ワーゲン)を用いた張出し架設工法である．本改築事業による三陸沿岸道路の整備により、緊急医療施設への搬送時間の短縮や災害時の緊急支援物資等の確実な輸送路確保などの整備効果も期待されている． 本橋は「凍害」と，凍結防止剤の散布による「塩害」が複合的に生じる過酷な寒冷地環境で供用される．そのため，本工事では橋梁の高耐久化が求められ，新技術を含めた多くの取組みを行った．新技術としては，美(うつく)シール工法(劣化因子侵入対策)，クール&ヒート工法(温度ひび割れ対策)，コンクリート運搬·打設システム(材料分離対策)および光ファイバを用いたPCケーブルの張力計測システム(導入緊張力の精度向上)等を実施し，それらの効果確認を実施している．