民間薬のお話（その5)南天実ナンテンジッ

摘要

さて，南天といえば正月飾りに用い，鬼門封じ として植えられる縁起の良い植物である。私の家 でも表鬼門（北東）には南天が，裏鬼門（南西) には柊がある。頼んでもいないのに，建築屋が氣 をきかせて植えてくれたものである。縁起が良い とされるのは名前が「難転（難を転ずる）」に通 じるからといわれる。昔は慶事には，決まって赤 飯に南天の葉が添えられ配られた。これは単に美 しいだけでなく毒消しを期待してのことらしい。 事実，熱と水分で葉からシアン化水素が微量発生 し殺菌される。そこで，日々の弁当の上に南天の 葉を添えて食中毒を防止するのも良い方法ではな いかと考えている。