証を察するということ

摘要

本誌に連載中の「乱世を医す人」一戦国時代の 名医?曲直瀬道三（山崎光夫著）を毎回楽しみに読 ませていただいています。日本漢方中興の祖と言わ れる曲直瀬道三とその師田代三喜の名医ぶりを余す ところなく伝えており，的確な弁証論治とともに人 をみるとはこういうことかと，う一んとうなることも しばしばです。道三は幼くして両親を亡くし，滋賀 の天光寺の喝食となり，足利学校で田代三喜に出会 い，京都に啓迪院をつくり，足利義輝，織田信長，毛利元就など数々の戦国武将を診察し，門人800 人を教育し，晩年はキリスト教に入信しました。