固体ロケットエンジンの技術的特長

摘要

ロケットエンジンは質量の一部を後方に噴出することによりその反作用で推進力を得る装置であり，実用化されているものに化学ロケットと電気ロケットがある。実用化されている電気ロケットは小さな推力を長時間発生させるものであり，重力，空気抵抗のほとんどない宇宙空間で使用する宇宙探査機等の推進装置に適用が限られ，大推力を必要とする地上からの打ち上げロケットには化学ロケットが用いられる。 化学ロケットは燃料と共に酸化剤を搭載し，これらの燃焼により発生する高温·高圧のガスを噴出することにより推力を得るものであるが，燃料の搭載形態から液体ロケットと固体ロケットに大別される。 両者はそれぞれに得失があり用途により使い分けがなされ，両者とも宇宙輸送系のキー技術となっている。 本稿ではこの内の固体ロケット技術について解説を行う。