新型1UR-FSEエンジンの開発

摘要

トヨタの前V8エンジン（UZシリーズ）は，1989年に高級乗用車エンジンとして市場に投入され，その後も改良を続けてその出力性能，燃費，静粛性を高次元でバランスさせることにより，高い評価を得てきた。しかしながら，基本設計から17年を経て，近年のさらなる地球環境への対応や市場ニーズの変化への対応が，従来の改良だけでは困難になってきた。 そこで，LS460の開発に合わせ，トヨタの最新技術を数多く投入したプレミアムカーに相応しい新型エンジン1UR-FSEを開発した。 前3UZ-FEエンジンの高次元のバランスをさらに向上させ“二律双生”をスローガンとしてかかげ，“素で良いエンジン”を目指した。 これらの高い目標を，設計，生産技術，製造の各部門一丸となって開発を進め，実現させた。 本報では，本エンジンに採用された新技術と，この素で良い部分を中心に，エンジン概要を紹介する。