沿岸漁業現地調査－ワカメの収穫加工作業

摘要

国内におけるワカメの生産量は、昭和30年には天然ワカメが6万トンでした。 昭和30年代後半に養殖技術が開発されて、養殖ワカメの生産が急増し、昭和41年以降は養殖ワカメが天然ワカメを上まわるようになり、現在では市場に出まわるワカメの90％以上を養殖ものが占めています。 昭和50 年頃には17万トン以上あったワカメ国内生産量は、近年の安価な中国産·韓国産ワカメ等の輸入品に押されて、国内需要量23万トンのうちの7万トン台にまで低下しています。 このようにワカメにおいても輸入品との競合を強いられ、養殖経営漁家の年々の減少及び生産量の減退が進んでいるのが実状です。 漁家経営の改善、後継者の確保のためにも、ワカメの生産·加工作業の省人·省力化が求められています。 養殖業生産統計によると平成11年度では、ワカメ生産量7万7千トン（生産額140億円）の都道府県別シェアは、岩手46％、宮城25％、徳島13％、兵庫5％、三重2.5％の順となっています。 岩手県釜石市近郊の大槌町漁協にて養殖ワカメ生産の実態調査を行いました。ワカメの収穫期は2月～4月の短期間で、この間は休み無しで収穫·加工作業が続けられます。 平成14年3月中旬に行った現地調査の概要をご紹介します。