華やかさより真摯な進化を採る

摘要

たとえMTを操り心踊るスポーツカーや、個性的な欧州のコンパクトカーに目を奪われたとしても、やはり2017年もっとも賑やかだったのはSUVカテゴリーの車たちだろう。まずは16年末に登場し、たちまち都内で繁殖を始めたのがトヨタ·プリウスのSUV版とも言えるC-HRだった。当初はカタチで目を引ぐ出落ち”のような車かと思っていたがさにあらず。本誌55周年記念連載「ニッポンのイチオシ」スタートのきっかけとなった5月号のSUV比較テストでは、シチュエーションを問わずテスト参加者の心を惹きつけ、カタチだけでもドライバビリティだけでもない万能性を見せつけた。おまけにハイブリッドであるから、燃費のほうもおまかせあれ、という具合。それまでこのクラスのベストセラーだったホンダ·ヴェゼルの使い勝手も、ニッサン·ジュークの個性的なスタイルも、マツダCX-3のディーゼルユニットも、これには歯が立たなかったのだ。