技術トピックス／食品：現場技術者がマスターすべきカビの検査技術

摘要

カビ（真菌）は細菌などと同様微生物であるが、集落を形成すると色調などから肉眼的にも異物とされやすい。 カビの同定は主として形態によることから経験の蓄積を要するなど修得しにくい技術とされる。 しかしながら、近年、“食”の安全性への国民的な関心の高まりから、カビの検査を余儀なくされることが多い。 カビの分離同定手法も、これまで選択培地などの改良があり、また、近年、分子生物学の飛躍的発達が、カビの分野にも新たな類別、同定手法として導入され、大きな成果をあげている。本稿はカビの分離同定の基本的な部分に触れながら、新たに改良、開発された部分について紹介したい。 検査の一助となれば幸いである。カビ検査の基本的な流れについては「食品衛生検査指針」を参照されたい。