非破壊試験技術者資格のグローバル認証スキーム：資格認証の国際化への対応

摘要

非破壊試験は“ものづくり”の現場において品架を確保する上で重要な役割を果たしている。一方で、非破壊試験はその結果を後工程での監視·測定では検証することができない、いわゆる“特殊工程”であり、試験手順書·指示書等のドキュメントにより試験プロセスを、また資格認証により試験技術者の力量を適切に管理することが重要である。日本では1960年代から独自の技量認定制度（NDIS 0601）による資格付けが行われており、2001年からは国際規格（ISO 9712）をベースとしたJIS Z 2305へと移行し、現在では9万件を超える資格証が発行され、産業界で広く活用されている。世界に目を向けると、米国のSNT-TC-1Aに基づく雇用者認証の仕組みが産業界ではデファクトスタンダードとして広く活用されてきたが、2012年にはISO9712と欧州規格であるEN473が整合化される形でISO 9712：2012が発行され、EU加盟国を中心として多国間相互承認の動きも加速しつつある．ことから、今後ISO 9712をベースとした資格認証制度の国際整合化が進むことが期待される。