こうありたい検査技術者

摘要

しかし、功罪はあるものの社会の価値観も教育の思考も大きく変化した。親子代々にわたる技術の伝承や安定した終身雇用制度もほとhど崩壊し、一部には過剰とも思えるような能率主義や効率偏重が昂じ、さらには手軽な輸入に依存し、浪費や使い捨てにも無神経な風潮が横溢する時代を迎えてしまった。一方、科学技術の研究が深まるに伴い、機械技術関係では、材料物性、トライボロジー、真空領域技術、ナノテクノロジー等の基礎研究の中で、計測、分析、制御、材料、加工等の技術や機器の新開発、コンピュータの目覚ましい普及を伴って、新たな産業や社会文化が次々に誕生してきた。昨今はさらに、技術の開発にも製品化にも、機能や信頼性、ユーザーの満足度や環境浄化、セキュリティ（過剰なあまり、利便性を欠くものまででてきたが）、社会性や地域文化への配慮も不可欠な時代を迎えている。このため、技術者には職種的あるいは単能的専門的技術に加え、総括的、システム工学的、水平思考的、あるいは学際的技術やテクニカルアセスメント（技術実施事前予測評価（Merit & Demeritとその波及効果））の素質までも必須になってきたように思われる。