自動車部品における磁粉探傷試験の自動検査と最新の空中伝搬超音波法について

摘要

非破壊試験による“きず”の検出には、表層 部を対象として、主に磁粉探傷試験、浸透探傷 試験、電磁誘導試験があり、内部を対象として 超音波探傷試験と放射透過試験がある。磁粉探 傷試験技術は、磁性材に適用され表面が未開ロ の“きず”も検出でき、数μmの非常に微小な“きず" を検出できることから鉄鋼?航空?自動車産業 界で用いられている。超音波探傷技術は非破壊 検査手法の中でもさまざまな産業の品質検査に 適用されている。特に自動車産業においては適 用の歴史は古く、最新のCFRP、セラミックス 材料も含め様々な自動車部品における安全性確 保にも大いに貢献している。超音波探傷装置は X線探傷装置に比べて取り扱いが容易で設備が 小規模であることから、大量生産される自動車 部品の内質部の検査には比較的適用しやすい特 長がある。本稿では、表層部の検査に用いられ る磁粉探傷試験の最新適用事例について紹介を し、内部検査に用いられる超音波探傷試験では、 探触子と検査対象物間に液体などの伝搬媒質を 使わない最新の空中伝搬超音波法の現状を紹介 する。