回転機器の振動監視技術: コアモニタリングシステム

摘要

熱エネルギー系ライフラインは、都市機能を支えるインフラとして重要であり、その維持管理·更新等が社会課題として認知されている。特に、公共性の高い病院やDHC（地域冷暖房）施設は、発電機、熱源機および補機、圧縮機等のいわゆるコア設備の保全が、都市機能のレジリエンスを支えるといっても過言ではない。例えば、災害時に地域救命センターとなる総合病院では、巨大地震の発生等によるライフラインの寸断に備え、自家発電·受水槽給水設備が備えられているが、それらも損傷·故障するリスクを抱えている。ライフラインが抱えるこのようなリスクを極小化することは重要であるが、ライフライン全体は広範囲にあるため効果的なリスク低減が求められる。このため当社では、回転機器、特にポンプを対象としたライフラインコア設備の早期異常検知と健全性確保を担保する常時モニタリングシステム（以下、コアモニタリングシステム）の開発に取り組hでいる。本稿では、新たな振動センシング技術とそれを用いた監視システムを紹介する。