グローバル化時代における中国のエネルギー問題：住宅におけるエネルギー問題

摘要

中国のエネルギー消費は急速な経済成長に伴う需要増大に対し，石油，石炭，天然ガスの化石燃料資源供給制約面，と電力不足，エネルギー輸送面，エネルギー利用効率，農業廃棄物等のバイオマス燃料利用，その大気汚染物質排出，エアロゾル排出とその正負両面の温室効果など多側面が同時に関係し，かつ急速な変化を遂げており，なかでも住宅のエネルギー需要は都市から農村まであまねく各地に散在し，その総需要量が大きいこと，さらに需要が伸びる可能性が大きい一方で，エネルギー利用効率の改善の余地もあり，農村部の伝統かまどでのバイオマス燃料利用は利用方法の改善によっては大きな温室効果ガス排出削減対策対象ともなり得る可能性を秘めている．本稿ではその1981年からの経年変化と省別地域特徴を都市部と農村部別に両者を対比しながら概観し，主要な影響要因についてもふれる．