ブルータワーガス化プロセスにおけるヒートキャリア（アルミナ）に対するアルカリ金属の影響

摘要

このプロセスで利用されるヒートキャリア（アルミナボール）は，熱分解炉内では，非酸化性雰囲気下550°Cで木質バイオマスの熱分解ガスやタール，チャーに曝され，表面にはタールやチャーが付着する．予熱炉内では，アルミナボールが，空気雰囲気下，約1,000°Cの高温排ガスに曝され，同時に，アルミナボール表面に付着したタールやチャーが燃焼される．改質炉内では，アルミナボールが熱分解ガスやタール，水蒸気に曝される事になる．そのため，このプロセスを長時間安定稼動させる際に解決しなければならない課題として，①アルミナボールの寿命，②アルミナボール表面上の触媒効果の発現および維持，③プロセス系の熱収支の安定化等が挙げられる．そこで，本研究では，アルミナボールをプロセス内で繰り返し使用した場合の寿命評価の一つとして，実験室規模で，アルミナボールと木材との混合燃焼を行い，アルミナが木材中に存在するアルカリ金属（NaおよびK）により，どのような影響を受けるかを検討した．