空調負荷軽減と室内環境改善に寄与する調湿性マイクロ／ナノカプセル

摘要

このような問題から，著者らは，ポリアクリル酸ナトリウムを強固な高分子内に包括し，マイクロカプセル化することで高吸湿性を保ちながら，膨潤の起こらない吸湿剤の創成を試みることとした．しかしながら，ポリアクリル酸ナトリウムは比重が大きく，モノマー溶液（有機相）内で沈殿し，均一な溶液が得られない．また，水に溶解して有機相に分散させ，（W/O）エマルションとする手法もあるが，ポリアクリル酸ナトリウムは水への溶解度が低く，マイクロカプセル内に十分な量を固定することができないといった問題も抱えている．そこで，著者らはアクリル酸ナトリウム（モノマー）を有機相に分散させ，ポリアクリル酸ナトリウムの合成とマイクロカプセルの合成を同時に行うことで大量のポリアクリル酸ナトリウムをマイクロカプセル内に包括させることを試み，吸湿特性におよはすマイクロカプセル調製条件の影響について検討した．