金属資源の発見から資源開発まで

摘要

最近，鉱物資源に関するニュースがマスコミに取り上げられ，身近な問題となっている．2010年8月5日，チリ共和国アタカマ州の銅·金鉱山において坑道の崩壊事故により33名の鉱山従業員が地下634mに閉じ込められ，事故から69日後の10月13日に全員が救助された．救助に際しては米国を中心とした世界からの技術支援が行われ，その様子は世界中に報道された．2010年9月25日，尖閣諸島を巡る問題に関して，世界のレアアースを97％生産する中国が輸出規制を行い，その後，豪州や米国におけるレアアース鉱山の再開や，ベトナム·カザフスタン等からの開発輸入に向けての資源外交の動きがあった．一方，小笠原諸島·南鳥島周辺の排他的経済水域の海底からレアアースが豊富に存在する報道もされている．本稿は，最後に市場規模の大きい銅鉱床を中心に過去百年の発見推移や，1999-2010年において発見された銅鉱床について探鉱コストの分析に基づいて論じる．