将来の社会像検討のための産業部門のエネルギー利用と電化ポテンシャル調査

摘要

米国や欧州では，再生可能エネルギーの大量導入や，パリ協定にもとづく長期温暖化対策目標への関心の高まりから，近年電化の議論が盛hに行われている．欧州等では，産業部門の大幅な電化のための技術やシナリオが検討される事例も増えてきた．そこではプロセスの直接電化だけでなく，電気分解から得る水素や，それをもとに生成する合成ガスやメタノールで原料等を代替する手法等，様々な革新的技術についても検討対象となっている．我が国でも，脱炭素化に向けて将来のエネルギー需給や社会像を検討する際に，こうした海外の動向を参考にすることが有効である．本研究では，既往文献等から産業部門の電化技術の動向を調査するとともに，その技術的ポテンシャルについて調査した結果を報告する．