ハイブリッド動力システムの開発

摘要

鉄道において、運行本数の少ない地方路線では、気動車による非電化旅客輸送が主流である。 これは、気動車システムは架線·変電設備等が必要なく、電化路線に比べて地上インフラが簡素であり、保守作業コストを抑えられるためである。 しかし、環境への影響を考えたとき、気動車の省エネルギ化をエンジン性能向上だけに頼ることは、今後さらに厳しくなると考えられる環境向上への要求に追従できない可能性がある。今回、環境に配慮した動力システムへの第一歩として、エンジン発電機とHEV（ハイブリッド自動車）用2次電池を組み合わせたハイブリッド動力システムを開発した。 このシステムは、エンジン等の動力源は従来気動車と共通とし、主変換装置等の電機品はインバータ電車と共通化できるシリーズハイブリッド方式を採用し、両者のメンテナンス技術を継承しながら、変速機、転換器等の機械部分を減らすことによりメンテナンスコスト低減にも配慮している。 本システムは東日本旅客鉄道株式会社キヤE991 形試験車両（NEトレイン、写真－1）に搭載しで性能確認試験を実施した。 本報では、システム制御の考え方を中心に報告する。