水中ウォータージェットによる機械的表面改質におけるキャビテーションピーニングとウォータージェットピーニングの判別法

摘要

水中ウォータージェットを用いた金属材料への圧縮残留応力の導入や機械部品の疲労強度向上を図る機械的表面改質法が提案されている。一つの方法はキャビテーション気泡崩壊時の衝撃力を用いるので，キャビテーションピーニングと呼ばれている。また，ウォータージェットの液滴やウォータージェットに混入した粒子による衝撃力を用いるウォータージェットピーニングと呼ばれる方法もある。キャビテーションピーニングとウォータージェットピーニングでは衝撃力の発生機構が異なるために，良好なピーニング効果を得るためには両者を区別する必要がある。本報では，ウォータージェットの加工能力を，スタンドオフ距離を変えてばね鋼に生じる塑性変形量により評価した。その結果キャビテーションピーニングとウォータージェットピーニングは，キャビテーション数とスタンドオフ距離の関係により判別できることを明らかにした。