水中水噴流による乱流渦キャビテーション流れの数値解析

摘要

本研究では，局所均質混合流キャビテーションモデルを用いて水中水噴流による乱流キャビテーション流れのCFD解析を行った。 非定常気液混相乱流の支配方程式として圧縮性RANS方程式を用い，RNG k-εモデルを取り入れて流れの乱れをモデリングした。 気相と液相の状態方程式から混相流平均密度と圧力を結びつけ，混相流の気相体積分率を求めてキャビテーションの強さを評価した。実験データとの比較により本計算手法の妥当性を検証し，水中水噴流の渦構造とキャビテーション流れの挙動を調べた。 その結果，次のような知見が得られた。 (1)水中での水噴射に伴ってジェット先端にリング状出発渦が生成し，その発展は渦生成時間に依存する。 (2)キャビテーション数を低減するとキャビテーションはまず出発渦中心の低圧領域に発生し，ジェット先端にリング状キャビティが形成される。 リング状キャビティの発展は渦生成時間に依存し，渦に含まれる気泡に一定の影響を受ける。