ボケ情報を用いた物体検出における前景物体のボケと検出性能の関係

摘要

著者らはボケ情報を用いた物体検出手法の提案を行っているが，これまでの研究においては合焦距離にある物体の検出しか考慮していない．このような制約は，特定の領域に侵入する物体の検出を目的とする用途，例えば，侵入者検知や衝突回避においては問題とはならない．しかし，このような汎用性の低下は，利用可能な応用を制限するため好ましくない．我々の手法は，画像ボケに差のある領域を物体境界として学習することにより物体検出を実現しているため，ある程度画像ボケに差があれば，合焦領域以外の領域に存在する物体に対しても，検出が適切に機能する可能性がある．そこで，本研究では，前景物体にもボケを加えた合成画像によるデータセットを作成し，前景と背景の画像ボケの差と検出精度の関係を調べた．