非造影3次元CT像からの腹腔領域抽出処理の開発と評価

摘要

本稿では，非造影の3次元CT像からの新しい腹腔領域抽出処理について報告する．まず前半では，横隔膜抽出のために開発した，被検者固有形状モデルを用いた動的輪郭モデルによる処理と，形状を考慮したグラフカットによる処理について述べる．また，後半では，体腔側壁をグラフカットにより抽出する方法を提案し，横隔膜の抽出結果との統合方法について示す．さらに，提案手法を実際の多数の非造影のCT像に適用して，提案する二つの横隔膜抽出法の比較と，最終的に抽出された腹腔領域の精度評価の結果について示し，提案する処理の有効性や限界について議論をする．