小型ファイバヒューズストッパにおけるファイバヒューズの停止機構の検討

摘要

近年の通信容量の急激な増大に伴い、従来の単一モード光ファイバ（SMF）の伝送容量の制限要因として、ファイバヒューズ現象の懸念が顕在化しつつある。その際の対策の一つは、光ファイバ伝送路中にファイバヒューズを停止する機能を持つ光デバイス（ファイバヒューズストッパ）を挿入することである。ファイバヒューズストッパに求められる特性としては、小型であること、伝送路用の単一モード光ファイバとの接続損失が小さいこと、伝搬てきたファイバヒューズを確実に短い侵入長で停止すること、幅広い入力パワー条件下で有効に動作することなどが挙げられる。本検討では、上記の特性を満たすファイバヒューズストッパを空孔アシストファイバ(HAF)によって実現した。まず、HAF断面内の空孔の位置と総面積に関するパラメータに着目し、ファイバヒューズストッパに適した空孔配置をマッピングした。この結果に基づき、長さ1.35mmのHAFを用いて、22Wという高入力バワー条件でもファイバヒューズを停止できる小型のストッパを作製した。さらに高速カメラを用いてヒューズ伝搬速度の連続的な評価を行い、ファイバヒューズの停止機構を明確化した。