音声·映像の非同期が与える心理的効果：使用言語の影響（4）

摘要

映像と音声の呈示タイミングがずれると視聴者に違和感を与える。自然なスピーチを刺激とする場合に特徴的なのは、映像の遅れに関しては小さなずれでも違和感が生じるのに対して、音声の遅れに関しては比較的大きなずれでもあまり違和感が生じないことである。この現象はヨーロッパ言語圏でも同様であり、頑健な視聴覚統合現象である。本研究では、母国語以外のスピーチを刺激とすることが視聴覚統合に与える影響について、同時性判断課題を用いて検討した。また、試行を繰り返すことによる順応の影響についても検討した。