歩行状態対応型マイクスルーイヤホンの研究－音楽プレイヤー使用時の外部音声と音楽再生レベルのバランスの検討

摘要

雑踏の中でイヤホンを使用する時の周囲音の知覚は，音楽レベルによって，大きく左右され，危険やリスクを伴う．しかし，ユーザの多くは，雑踏の中での音楽鑑賞に対して，危機意識は低く音楽鑑賞の快適さを優先してしまう傾向にある．この問題に対し，我々は，音楽鑑賞の快適さと雑踏時の周囲音知覚の両立を図るため，周囲音と音楽を同時に提示可能で，歩行状態に応じて自動でボリューム調整を行う．歩行状態対応型マイクスルーイヤホンを構築した．しかしその際，音楽の再生レベルによっては，周囲音が知覚できなくなるため，レベル設定は重要である．そこで，単語了解度試験により歩行時に提示する音楽レベルの検討を行った．本システムを用いた際の正解率は，65%の正解率となり，聞きなじみのある単語だと95%の正解率と対応することが分かった．