野球のボール追跡による多視点カメラの時間的および幾何学的キャリブレーションとボールの3次元軌跡復元

摘要

コンピュータビジョンを用いたスポーツの解析が盛hに行われている．複数のカメラを利用する場合，各カメラの露光を同期し位置姿勢を推定する必要がある．しかし，特殊な装置が必要になる場合や競技場に立ち入ることができないなどの制約のため，実際の試合で利用できない場合がある．本研究では，非同期かつ位置姿勢が未知の複数のカメラで撮影された野球の試合映像から，カメラの時刻ずれおよび位置姿勢を推定し，さらにボールの3次元軌跡を復元する手法を提案する，ピッチングの映像からボールを検出し，対応点として利用する．対応点を用いて計算された基礎行列の誤差から，カメラ間の最適な時刻ずれを推定する．得られた時刻ずれに基づき最適な基礎行列を推定する．さらに，得られた基礎行列からボールの3次元軌跡を復元する．実際のピッチングの映像を用いた実験で，本手法によって高精度に時間的および幾何学的カメラキャリブレーション，3次元軌跡の復元が可能であることを確認した．