テレプレゼンスロボットの自由配置を可能にする遠隔映画鑑賞システム－視線方向の整合性の保持と表情変化の伝達手法の開発

摘要

本研究の目的は、遠隔地の映画鑑賞者のアバターとして動作するテレプレゼンスロボットを用いて、複数の遠隔鑑賞者とあたかも同じ部屋で一緒に映画を楽しhでいるかのような臨場感を作り出すことである。本稿では、遠隔地の鑑賞者の存在感を高めるための2つの手法について論じる。一つはロボットが自由に配置された条件下において、全ての部屋における視線方向の整合性を保持する手法であり、鑑賞者が視線を向けた対象を判別し、ロボットの頭部方向をその対象物に向けることにより実現する。もう一つは映画鑑賞時のような非対面会話において気づくことが難しい鑑賞者の表情変化を効果的に伝達する手法であり、検出された鑑賞者の表情を明示的なロボットの身体動作に翻訳する手法により実現する。これらの手法により、映画鑑賞に適した遠隔コミュニケーション環境を実現する。