テレビの外側を覗き見る～空間的な拡がりを考慮したセカンドスクリーンへの映像提示

摘要

本稿では，新しい映像視聴手法として，テレビのような受動的な視聴（パッシブ視聴）と，視聴者が見たい部分をインタラクティブに指定できるアクティブ視聴を同時に可能とするシステムを提案する．趣味の多様化などを背景に，これまでにも多くのアクティブ視聴システムに関する研究が行われ，アクティブ視聴の利点だけでなく，その長時間操作が視聴の体験価値を下げることが明らかにされてきた．提案手法は，メインディスプレイとサブディスプレイからなる映像視聴システムであり，メインディスプレイはパッシブ視聴，サブディスプレイはアクティブ視聴を提供する．サブディスプレイは空間的にメインディスプレイと連動し，メインディスプレイの外側を含む視聴者が視聴したい領域にサブディスプレイをかざすという直感的な操作で，メインディスプレイに表示中のコンテンツの空間的に対応する領域が表示される．評価実験により，提案手法が視聴領域を短時間かつ直感的に指定可能であること，操作が簡単で視聴スタイルが受け入れられることを確認した．