視野闘争における両眼刺激の類似性および時間的同期性の効果

摘要

視野闘争の基本的実験であるKa血（1963）の実験の再検討を行ったが，交点からの抑制の波及だけではなく端点からの抑制の可能性が示唆された．白黒コントラスト逆転刺激において累積消失時間を測定したところ，両眼刺激の空間的類似性および時間的類似性に依存して対応型と非対応型の異なる抑制型があることが分かった．2つの視野闘争刺激が近接する条件では両者が同時に消失する傾向が高かった．これらの結果から空間的意識の広がりについての実験的検討という点で視野闘争の研究は有効であることが示唆された．