サッカーの試合映像への注視パターンの分析に関する検討

摘要

映像の理解は，注意を向けた領域（AOI：Area of Interest）に向ける視線の変化である注視パターンに依存する．本研究ではサッカーの試合映像を刺激映像とし，あらかじめ定義したAOIである映像内オブジェクト群への注視パターンを，シーケンス分析で検討し，サッカーの知識や経験が注視パターンに及ぼす影響を分析した．その結果，各AOIへの総注視時間で，経験者群と未経験者群との間に有意な差が見られた．すなわち，観察者によって注視選択されるAOIに違いがあることを確認した．また，その時間的な注視パターンであるAOIシーケンスのクラスタ分類について検討を行った．