1GHz用矩形空洞共振器を用いた高損失材料の材料定数測定

摘要

マイクロ波帯におけるノイズ対策として，高損失材料が使用されるケースが増えており，高損失材料の材料定数測定が重要となってきている．本研究では，共振器を用いた摂動法による材料定数測定に着目し，共痕器体積が大きく，かつそのQ値が非常に高い，TE{sub}103モードで共振する1GHz用の矩形空洞共振器を作製した．そして，測定試料と共振器の体積比率を小さくし，摂動公式から生じる誤差を出来るだけ少なくするとともに，Q値の極端な低下を防ぐことにより，高損失材料の材料定数測定を行った．この結果，複素比誘電率が1000-j160程度の非常に大きな材料定数を有する試料を測定した場合でも，共振特性を測定することが可能であり，挿入損失も小さく保たれていることを確認した．そして，共振特性から材料定数を算出した結果，挿入する試料の断面積を変化させて同じ試料を測定してもほぼ一定の値となり，わずかな変化で高損失材料測定が可能であることを示した．