高速移動体からのリアルタイム映像無線伝送

摘要

各種スポーツの実況やドローンによる空撮等，移動体から高精細な映像をリアルタイムに配信，視聴するといった要求が高まっている.この要求に応えるべく，狭帯域でかつ共用周波数を使って，限定された範囲内に固定した伝送エリアを構築し，フエージングやマルチパスのある環境下でも安定した映像伝送が可能となるシステムを検討した.ドローン等移動体からの画像伝送用に「無人移動体画像伝送システム」として，2.4GHz及び5.7GHz帯周波数があり，チャンネル幅として5MHz，10MHz，20MHzが規定されている.そこで，複数の移動体を対象とした同時映像伝送を想定し，5.7GHz帯におけるチャンネル幅5MHzの信号を使用し，時速100kmの移動体から遅延時間100ms 以内で映像無線伝送を行うことを目標とした.なお放送では公共性が高く伝送映像品質，回線信頼性も要求されるので，専用波が必要であり，様々な運用形態に対応できなければならず，本内容とは要求条件が異なる.