〔連載：バルクウォータービジネス〕第2回 世界の各地におけるバルクウォーター輸送の萌芽の事例（アラスカ、グリーンランド）

摘要

1980年代頃から、広く世界の各所でバルクウォーター輸送のきざしが見え始めていたが、今世紀に入って、地中海沿岸地域を舞台としたバルクウォーター移送ビジネスが実際に動き始めた。水を渇望する国や地域と、豊富な水を保有し、これを販売して利益を得ようとする側、及び、この淡水資源の移動を石油に代わる21世紀の基幹ビジネスとして捉えようとするベンチャーの思惑とが相倹って、バルクウォーター輸送ビジネスが萌芽し、先ず、地中海において現実化したのである。バルクウォーター輸出ビジネスの萌芽の経緯を、先ず前号で、水のサウジアラビアと称されるカナダの事例で見てきたが、本号ではカナダと同様に豊富な淡水資源を保有するアラスカ及びグリーンランドについて一覧することとする。