高温配管の断熱施工＜セラミック断熱塗料のプラント機器·配管への適用＞

摘要

わが国の石油·石油化学プラントは稼働後30年を経過しているものも多く見られ、プロセス要因による腐食を始めとした装置の劣化は、その都度補修·更新といった対応がなされてきたが、近年は環境腐食と称される大気のもたらす腐食が大きな問題としてクローズアップされてきていろ。 特に配管系での保温施工部の老朽·劣化·損傷は顕著であり、長期にわたる雨水の浸入により、配管外面からの腐食による減肉、窮孔に至る例も報告されている。保温施工部の老朽化による雨水の浸入は、単に腐食問題だけでなく保温材そのものの断熱性能の劣化であり、配管からの熱エネルギー放散損失として、昨今の省エネルギー対策の見地からも放置できない現象である。 当社では、7年ほど前より米航空宇宙局(NASA)で採用されたセラミック断熱材に着目し、その技術を応用したセラミック断熱塗料を産業機器（機器·配管類）に通用させて好評を得ている。 更に工業炉、ボイラ設備などでも省エネルギー対策または作業環境の改善を目的に施工実績を重ねてきており、これらの経験から以下にセラミック断熱塗料について紹介する。