発電プラントの配管と装置：コンバインドサイクルの下水処理水利用技術

摘要

発電設備で使用する冷却水設備には複数の種類があり、海水を利用した一過式冷却水設備、空冷式復水設備、工業用水を使用した循環式冷却水設備等が挙げられろ。しかし、発電設備の経済性や敷地の大きさ、インフラおよび周囲の環境等により、その選択には制約が伴う場合が多い。当社が計画した某コンバインドサイクルでは上記の制約を鑑みて、冷却水設備は下水処理センターの下水処理水を補給水とする、循環式冷却水設備を使用した。処理センター下水の再利用処理水は、冷却塔にて濃縮して使用される。 加えて、プラント排水は、排水処理設備を経て公共下水道へ放流し、海域への直接放流を回選している。 近年、処理センターの下水処理水は広く利用されるようになって来ているが、多くは一過式の利用であり、本冷却水設備のように、処理センター排水の濃縮を伴う再循環での使用例は極めて稀であり、利用に際しては多くの解決しなければならない課題がある。