発電プラントの配管と装置：循環水系統大型バタフライ弁についてバルブのメンテナンスと予防保全について

摘要

循環水系統配管ラインの流体は海水であり、そのラインに使用されるバタフライ弁は海水の腐食対策（耐海水対策）をどのようにおこなうかが弁メーカのキーポイントである。 当社の循環水系統バタフライ弁の開発経緯（海水用バタフライ弁の変遷）は、第1表に示すように弁箱·弁体母材（以下弁箱は弁体と同材質のため記載省略）の材質と弁体表面の防食により、第1世代：鋳鉄製弁体＋Crメッキ·表面塗装、第2世代：鋳鉄製弁体＋SUS盛金·軟質ゴムライニング、第3世代：鋼板製（溶接構造）弁体＋SUS盛金·軟質ゴムライニング、第4世代：鋼板製又は鋳鉄製弁体＋硬質ゴムライニング（海水に接する個所に金属部を出さない構造＝オールゴムライニングと呼称）。 であり、第4世代の『鋼板製又は鋳鉄製弁本体＋オールゴムライニング』が現在の主流となっている。 循環水系統バタフライ弁は、プラントの安全操業上非常に重要なバルブであり、バルブの作動不良·水漏れ発生はプラント停止につながる可能性があることから、バルブの日常点検とメンテナンスをいかにおこない、予防保全につなげるかが重要である。今回は当社の数多くの納入実績から、各電力会社·プラントメーカ·構内業者（メンテナンス担当）との連携を図りながら、現在まで実施してきた循環水系統大型バタフライ弁の予防保全·メンテナンスに関して述べることにする。