完全シール型リップシールフランジ：リップシールフランジの開発経緯、構造、適用事例の紹介

摘要

化学プラント等工業設備や装置には、数多くの各種フランジ継手が使用されている。 特に、近年LPG、LNG、LO2（液体酸素）等の低温液化ガスの流体を取り扱う装置が増加し、それら装置におけるフランジ継手の多くは、従来からのガスケットを細込hだボルト締め方式であり、しばしば内部流体の漏洩が問題となっている。 この漏洩問題を解決するのため、千代田化工建設㈱と東京ガス㈱は、完全シール型のリップシールフランジを開発し、LNGサービスに実用化している。 特徴として、次の4項目があげられる。 ①リップシールフランジは、ガスケットを使用しないフランジの金属面接触でシールする方式であり、ガスケットの品質管理が不要である。 ②　 接合面の外周はシール溶接を行うため、接合面に流体が浸入しても外部の漏洩することはない。③　フランジ継手を取り外し再び取り付ける場合は、特殊治具によりシール溶接部を除去し、前回と周様に溶接する。 この取り付けと取り外し作業は、3～4回までできるように設計されている。 本稿では、リップシールフランジの構造、開発及び適用事例について紹介する。