産業·社会インフラ施設設計でのVRの活用

摘要

当社では、国内インフラプロジェクト本部産業システム設計部を中心に、医薬品工場や研究所、非鉄製錬などの産業·社会インフラ施設の設計を行っている。それらの施設の多くは、配管·機器·空調ダクトおよび電気·計装ケーブルラックが建物内部に複雑に展開する建屋系プラントとなる。当社では、3Dをベースとした設計·情報管理手法である“Building Information Modeling”（以下BIM）に早くから取り組hでおり、建築と空調·電気など建築設備の3Dモデルと当社がプラント分野で得意としてきた配管3Dモデルを統合させた設計を進めてきた。その設計プロセスとして、干渉チェックのみならず、操作·作業性などの検証、空間調整、施工手順の確認などを目的とした、統合3Dモデルレビューを設計者および協力会社、顧客との間で定期的に実施している。このレビューでは、各データの統合に優れ、3D形状の俯瞰的な把握が容易なAutodesk社製Navisworksを主に用いているが、素材·質感の表現に限りがあり、画面上の確認となるためスケール感や作業者の視点が抜け落ちるなどの問題があった。