酢酸メチル合成を対象とした蒸留分離-反応プロセスへの内部熱交換技術の適用とその省エネルギー性

摘要

塔底側よりも塔頂側が高温となる反応蒸留と内部熱交換技術を組み合わせることで′圧縮機を用いずに省エネル ギーな蒸留分離一反応プロセスを設計できる可能性があるが．そのためには，内部熱交換の推進力となる温度差が 得られる反応系でその省エネルギー性を評価する必要がある·本研究では．圧縮操作を用いずに内部熱交換技術を 適用した反応蒸留プロセスを設計し．その省エネルギー性について検討を行った．反応系は．酢酸メチル合成系を 用いた·この反応系は，反応蒸留塔の反応部の温度が塔底側よりも塔頂側で高くなり．内部熱交換のための推進力 となる温度差が得られるためである·シミュレーション結果より．反応部内の高温部と低温部で熱交換を行った反 応蒸留は．従来の反応蒸留に比して,約8．8％の省エネルギー化が達成できることを明らかにした．