ホーニング加工用水溶性切削油を用いた電解による小径円筒内面仕上げ（第2報）－砥石による不働態膜除去と高能率表面仕上げ

摘要

本研究では，ホーニング加工用水溶性切削油を用いた電解による小径穴内面仕上げにおいて電解生成物および不働態膜のみを除去するために必要な砥石の性能について実験的に検討を行った．また，より短時間に仕上げを行うための最適条件について明らかにした．得られた主な結論は以下の通りである．(1)フェノールボンド砥石およびエポキシボンド砥石を用いた場合，砥石の過剰接触によって，スクラッチあるいは圧痕が加工面に形成されるため，加工面の粗さは向上しない．また，フェノール＋PVAボンド砥石を用いた場合には砥石の欠落によって表面粗さにムラが生じる．(2)高弾性のゴムボンド砥石を用いると加工表面の凹凸部分に形成された不働態膜のみを除去し，電解作用により粗さを改善できる．(3)パルス幅，およびパルス休止時間を最適に設定することにより極めて高能率の小径穴内面仕上げを実現できる．