斜流ポンプ羽根車の後縁形状修正によるキャビテーション損傷防止策の検証

摘要

斜流ポンプは産業用、農業用、雨水排水等の様々な用途で使用される汎用性の高いポンプである。斜流ポンプでは、部分流量域での運転や吸込形状が起因となったキャビテーション壊食や、羽根の圧力面側の鋭利な角面から生じたキャビテーションが羽根チップとケーシングの隙間を通って負圧面側で崩壊して生じた損傷等の問題がしばしば発生する。本論文で対象とする斜流ポンプはインペラ構造を可動翼にしている。変化する吐出量に対し、翼角を調節することで、ポンプ効率や吸込性能を最も良い状態にして、動力消費量を抑制することができる。試作段階でのポンプ性能試験とNPSH試験の実施中、翼角設定を変えた3パターンの計測終了後にインペラの出口端に過去の事例ではあまり見られない壊食が確認された。本研究では、この壊食が発生したメカニズムを流体解析で検討した。また、壊食を抑制するために施した対処策について報告する。