軸流ファンの動翼後縁近傍のカルマン渦の挙動に関する研究

摘要

低レイノルズ数の場合には、設計流量時と同じ動翼迎え角において動翼後縁から周期性の強いカルマン渦が放出されている。このときの渦放出周波数と相対速度および排除厚さを用いたストローハル数は0.12～0.15となる。レイノルズ数が増加すると、動翼圧力両側後方の速度変動強さが減少し、時間平均した速度変動のスペクトルは広帯域の分布となり、周期変動成分が現れなくなる。しかしながら、瞬間的な速度変動のスペクトルには、低レイノルズ数のときと同じストローハル数付近に小さなピークが形成され、発生騒音の音圧レベルのスペクトルはこの周波数帯域でレベルが増加する。したがって、設計流量時においても動翼後縁からはカルマン渦が放出されていると考えられる。