住宅リフォーム時代の税制－潜在的なリフォーム需要を顕在化させる税制面からの支援策

摘要

一昨年の耐震偽装事件は、社会を震撼させた。このことは、建築行政、建築士制度、消費者保護の側面にそれぞれ大きな課題を突きつけた。 現実に今もその被害者は不安な生活を余儀なくされているが、その対応策として、建築基準法、建築士法、建設業法、宅地建物取引業法などが改正されたし、瑕疵担保責任の履行の確保法が制定された。 これで法的整備はかなり進hだので再発防止に大きな力を発揮する事が期待されている。 一方、新耐震基準を満たしていない建物の耐震補修が大きな社会的·政治的課題であるという厳しい現実もある。 公的建築物については財源不足がその要因のひとつで、その改修の歩みは遅々として進hでいない。 個人住宅についてみれば、もっと悲惨で、殆ど手がけられていないという現状だ。 国土交通省の推計では、住宅ストックの25％にあたる約1,150万戸が耐震性不十分な住宅とされる。