被服の色彩嗜好に及ぼす素材とその面積の影響

摘要

これまでに数多くの被服に関する色彩嗜好の先行研究がなされ，それらのほとhどにおいて，呈示色刺激には色票や写真などの印刷標本が用いられてきた。しかし，被服の色嗜好に関しては色自体の好悪だけでなく，配色やデザイン，面積効果，被服素材の表面形状など，被服の色の見え方に影響を与える様々な要因も考慮する余地がある。 そこで今回，背景要因の1つと考えられる素材とその面積に焦点を絞る。 さらに，適切な官能値を得るために素材と色相の数を限定した上で，異なる2つの色刺激を呈示する一対比較法を用いて，被服の色嗜好や評価に与える被服素材とその面積の影響を検討する。