分光的な光反射モデルに基づいた美術絵画のデジタルアーカイブ

摘要

本稿では美術絵画を対象とし，デジタルアーカイブを行う上で必要となる基礎技術を紹介し，それをどのように美術絵画のデジタルアーカイブに応用していくのかを示す．現在の美術絵画のデジタルアーカイブの目的のひとつは，対象となる絵画を精密に画像として記録することである．そのため美術絵画のデジタルアーカイブは，デジタルカメラやイメージスキャナなどを用いて絵画をデジタル画像情報として記録することが最も一般的である．まず一般的な写真撮影に基づくデジタルアーカイブ方法を述べ，そこでの色再現に関する技術と問題点を述べる．次に分光情報と物体表面の光反射プロセスに基づいて記録?画像再現する方法を述べトこれにより照明環境や観測環境に依存しないデジタルアーカイブ法が実現できることを示す．