碁石の世界-碁石、水晶、そして宇宙へ-

摘要

私は、1959年に大分県立宇佐高等学校を卒業後、約6年間、250年ほど続いている家業の漁網製造業に従事した。しかいつまでも家業に従事していては、将来、天下国家を論ずることはできないと、日々考えていた。 26歳のとき（1966年）、メキシコ国水産局に勤務していたルイス春日君と友人となった線から、メキシコに碁石の白石の原料となるハマグリ貝のくりぬきの加工を目的としたYamato S．A．という会社を設立した。 そして4年後の1970年に宮崎県日向市に日向碁石株式会社を設立し、碁石の製造、すなわち碁石の研磨加工とその販売事業を行った。 この碁石の研磨加工を行うには、従来の碁石研磨加工機械では一人前の職人になるのに約10年の年月がかかり、研磨職人の育成が非常に大変であった。そこで、従来とはまったく発想が異なる、部品点数が19500点ほどの全自動碁石研磨加工機械（以下、「機械」と略）を、日向市の隣町の延岡市で製作することになった。 この「機械」を開発し完成ざせる段階で非常にユニークな発見があった。