石油性状分析試験法（第3回）［組成·不純物］硫黄化合物分析法

摘要

硫黄は生命活動においては重要な役割を果たしているが，燃焼による硫黄酸化物の生成による環境への負荷，自動車排ガスの浄化触媒の損傷の原因となるため，石油製品の精製においてはできるかぎり低減していく必要がある元素である。2006年11月公布の「揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則」で，ガソリン，軽油中の硫黄を0.001質量％（10ppm）以下とすることが定められ，軽油は2007年1月から，ガソリンは2008年1月から施行されたが，わが国ではそれに先立ち，この規格を満たすいわゆる「サルファーフリー燃料」が，世界に先駆けて2005年から供給されている。