現代左官事情「鏝の形」

摘要

鏝は柄の首の位置によって元首損と中首金蔓に大きく分類される。 つぎに鏝、木、ステンレス等と鏝の素材によっても分かれる。 鏝は軟鏝、硬鏝、焼き入れ方、鍛造により製作方法が異なり、下塗り、中塗り、上塗り用と工程別に使い分けをする。 さらに、鏝は使用される作業工程·部位の違いにより長さ·幅·形で多様に作られ、その数は数百種類以上とされる。 元首鏝は鏝先を用いて細工作業に、中首鏝は塗り付ける·広げるという能率作業に適している。 鏝の鍾尻から柄首が出ているのを"元首鏝"と総称されている。 明治以前、鏝は表面積の少ない元首鏝しか存在していなかった。 かつて、左官材料である石灰が高価であったため、これを大切に塗り付けることも一因であった。