煉瓦と歴史的建築物でまちづくり

摘要

1893年（明治26）、群馬·長野県境の碓氷峠にアーチ橋18基、カルバート21基、トンネル26箇所からなる鉄道施設が建設され、上野-直江津間の信越線が全通した。 この信越線碓氷峠区間（横川-軽井沢駅間）を特に碓氷線と称した。 碓氷線には車輌·軌道·施設·動力·保線など各分野で他線区にない技術を要した。 その根本的要因は、66.7％。 の急勾配（距離11.2km、標高差552m）にある。 この急勾配を克服するための軌道方式として、日本の幹線鉄道としては唯一アブト式という特殊な軌道方式（ラック＆ピニオン）が採用され、さらに橋梁·カルバートなどが煉瓦アーチ構造とされたことである。 これらはドイツの軌道·車輌技術によって達成された。